#029「せつない胸に風が吹いてた」サザンオールスターズ

世に万葉の花が咲くなり

虹のように消えたストーリー
悲しみを分け合えた他人(ひと)もいない
この胸に浮かぶストーリー
愛だけじゃ奪えない七色の未来

桑田さんの歌詞では「女性」(ときに「男性」)と書いて「ひと」と読ませることはよくありますが、この歌の最終部では「他人」と書いて「ひと」と読ませています。


この歌は学生時代、音楽サークルの仲間が就職活動などでバンドから離れていった悲しみを歌ったものです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E3%81%AB%E4%B8%87%E8%91%89%E3%81%AE%E8%8A%B1%E3%81%8C%E5%92%B2%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A

夢を一緒に追いかけた大事な同志たちとの別れ、それは男女の別れとはまた違った哀愁が、胸にこみ上げます。
心底辛いとき哀しいとき、無条件で自分を理解し励ましてくれる友達の存在、これは本当にかけがえのないものです。


「愛だけじゃ奪えない七色の未来」

この「アイ」とは「愛」であって「哀」であって、「I」でもあるように、私には響いて聴こえます。

私にとって大事なもの、それは私以外の、他人なのかもしれません。