日々是修行

朝日新聞夕刊に2年間連載していた、佐々木閑さんのコラムが先月末をもって終了。


私は冠婚葬祭の際にしかなることのない不真面目な仏教徒でありますが、いわゆる「釈迦の教え」としての仏教の側面、問題点、ルーツなどを分かりやすく教えてくださる文章に、毎週感動し、楽しみにしていました。


自分はずっと無宗教だと思っていたけれど、また別にこれから宗教に深入りするつもりも頼るつもりも全くないんだけれど、どうして世の中に宗教が広まり、また人々の心の拠り所としての存在価値になりうるのかを、そしてそのことの重要性・重大性を気付かせてくれたように思っています。


教えというのは、強制ではなく自発的であり、「神」との同一視・絶対視ではなく、自己の戒めと他者への感謝であるということ。
つまり内省であって自己批判でもあるわけで、他者批判でも自己否定でもないわけで。


個人的には誰かが「宗教」と言った時点で、(宗教)ビジネス的な側面が持ち上がってくるように感じるので、釈迦の「教え」こそを追求する佐々木さんの姿勢に感心するわけです。


臆することない仏教に対する真面目な挑戦状、自己批判的な視点、これぞ「修行」であって、佐々木さんにとって、教えに対する日々の報いなのではないかと考えさせられました。


それを踏まえると、私はいわゆる「道徳教育」の中にさまざまな宗教を紹介する時間があっても良いのかと考えます。
キリスト教イスラム教・ヒンドゥー教・仏教・儒教道教…など、世界の人々のいろいろな考え方・思想を紹介し、子供たちにその先代たちからの「教え」の良さ・悪さを自発的に考えさせる(当然、教師のスキルも重要です。専任の教師育成も必要でしょう)。


ある意味、答えのない心の教育とは、こういう「間口」から広げていくしかないのかな、と思うわけです。
もう一つは、童話や絵本の読み聞かせ。
こちらは本来は親の務めだと思いますが、現実的には学校教育でもいっそうのてこ入れは必須だと思います。


閑話休題


新年度になりました。
自分としては勝負の一年、挑戦し甲斐のある一年です。
先ほどの「日々是修行」の精神を忘れずに、日々内省し、ひたむきに前向きに、しなやかにゆるりと生きていければと思っています。
ますますもって、みなさまのお力をお借りすることになると思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。


追伸
佐々木さんのコラム集「日々是修行」は、5月10日ちくま新書より刊行予定とのことです。
楽しみ楽しみ♪